研医会通信  158号 

 2018.7.17
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研医会図書館は近現代の眼科医書と東洋医学の古医書を所蔵する図書館です。
この研医会通信では、当館所蔵の古医書をご紹介いたします。

今回は 『点眼瓶の今昔(その2)』です。

点眼瓶の今昔(その2)

 

点眼瓶図6~9

1.スネルレン氏耐熱性点眼瓶(1911年頃)

 硝子製スポイト式

2.明光点眼瓶(1913年頃)

 ゴム付,筒入。5g,10g。

  特色: 

  イ)瓶底の堰を越えて液の上部のみを薬溜に傾移し,沈澱物を点眼嘴に吸入させないこと。

  口)瓶口の員下に薬溜を形成させて最後の1滴まで吸取り得ること。

  ハ)瓶体丈低く座り良好にして転任1の虞のないこと。

  二)瓶口を辺隅に設けて点眼嘴の取扱を容易にしたこと。

3 杉田式凹底点眼瓶(1913年頃)

 ゴム付,ボール箱入。白色,ルリ色。5g,10g。

  特色:

  イ)点眼瓶用ゴムは特種の形状をしていて永久に保つ。

  口)ピペット尖端は滑かで安全。

  ハ)凹底なる故少量の薬液も残さない。

  二)点薬の際尖端が左右に鯛る憂がない。

  ホ)ゴム蓋は取り外し自由。

4 .OR式点眼瓶(1915年頃)

  荻生録造氏考案。木筒大砲玉形,点眼瓶の上下を識別し易い。紙筒の如く蓋底を逆まにする様な欠点なく,温潤,汚染の憂なく保存に堪える。

5.砲弾形木筒入点眼瓶(1922年頃)(荻生式点眼瓶)。木筒入,5g,8g。落しても破損の憂なく,洋服,腹掛の方にも通勤時は殊に携帯便利。

6.湯原式点眼瓶(1922年頃)

 硝子製,紙筒入。5g,8g,10g。

  特色:

  イ)本器は硬質硝子製故「アルカリ」成分発生の憂ない。

  口)点眼漏斗先玉付故点眼の際傷害の憂ない。

  ハ)点眼ゴム永久使用に耐える。

  二)点眼筒は布袋形故転倒の憂ない。

7.瀧式燈籠形点眼瓶(1922年頃)

 ボール筒入ゴム帽付:白色,5g,8g。ボール筒入平ゴム帽付:白色,5g,8g。

8.木筒入点眼瓶(1925年頃)

 木筒入:5g,8g。ボール筒入:5g,8g。

9.文化点眼瓶(1925年頃)

  特色:

 イ)全部硝子製故腐敗,凍結などの憂なく極寒極暑の地にても安全に使用できる。口)点眼器を抜き差しする不便がない。

 ハ)硝子栓を応用した故薬液過量に出ることがない。

 
点眼瓶図10~14

10.菊印点眼瓶(1925年頃)

 A号, B 号。

  特色:

  イ)底が凸底故薬液中に混入した沈澱物を点眼管に吸入しにくい。

  口)吸引用のゴム帽は肉厚故爪にて破損の憂がない。

  ハ)ピペット尖端は焼口にして滑かで使用の際安全。

11.金覆点眼瓶(1926年頃)

 平帽付:無色,茶褐色。5g,10g。

 丸帽付:無色,茶褐色。5g,10g。

12 半田屋型○印木筒入点眼瓶(1928年頃)

 白色。5g,8g。

13 小杉式点眼瓶(1932年頃)

 木筒入頭部丸形,砲弾形,A形, B 形。

 紙筒入頭部丸形,砲弾形,A形, B形。

 5g,8g。診療用。乳首付20g。

14 長瀧式改良点眼瓶(1933年頃)

1号型:

木筒入

ゴム帽

レッテル付

5g, 8g

1号型

紙筒入

2号型

木筒入

2号型

紙筒入

3号型

木筒入

3号型

紙筒入

 

15 ワイエヌ式携帯点眼瓶(1933年頃)

 木筒入,茶色。8g。携帯便利,衛生安全。

16 雨宮式点眼瓶(1933年頃)

 ゴム帽, レッテル付,木筒入(丸形,砲弾形), 5 cc,8 cc,10 cc(無色)。

 ゴム帽, レッテル付, ボール筒入5 cc,8 cc,(無色)。

17 ワイエヌ式携帯点眼瓶二号型

 木筒入。茶色,ルリ色。5g,8g。

18 長瀧式改良点眼瓶二号型(1934年頃)

 木筒入。茶色,ルリ色。5g,8g。

19 松山印点眼瓶(1934年頃)

 木筒入: 砲弾型,丸型。5g,8g。

 ボール筒入: 5g,8g。

       (以下次号)

斎藤 1992