結膜下出血の解析  (平成24年)    中泉行弘

 

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『眼病図譜Ⅰ』(庄司義治編 金原出版1969 研医会図書館蔵)より



結膜下出血の原因は結膜炎、外傷、強い咳なのであるが、不明の場合が最も多い。割と頻繁に見られるが、謎の多い症状でもある。


主として眼球結膜下に出血し、多量に出血した場合、容貌を損なうこともある。痛みなどの自覚症状を伴わないことがほとんどであるので、他人に指摘されたり自身が鏡などを見て偶然に気付く場合が多い。


当診療所では、平成24年に原因不明と思われる結膜下出血を55症例経験したので、月別患者数、年齢別患者数、性別患者割合、発症眼(右眼、左眼)割合と、4項目に分けてまとめてみた。


月別患者総数は8月が最も多く8人(男性4人、女性4人)、次いで4月の7人(男性2人、女性5人)、6月の7人(男性3人、女性4人)、12月の7人(男性7人、女性0人)となった。


年齢別患者総数は60代が最も多く16人(男性13人、女性3人)、次いで50代14人(男性8人、女性6人)となった。


性別患者割合は男性54.5%、女性45.5%であった。

発症眼(右眼、左眼)割合は、右眼が65.5%、左眼が34.5%であった。