お灸のはてな?     漢方内科・形成外科医師     陳 暢宏 のコラム             

このコラムでは、研医会診療所の陳暢宏医師がお灸について書いていきます。

お灸は古くから、庶民の身近な養生法のひとつとして親しまれてきました。脚のだるさや肩こり、冷え性といった不調にも、また健康な方が未病の対策に行うこともあります。

昨今では直接皮膚に触れないタイプのいろいろなお灸グッズがあり、手軽にできるよう工夫がされており、若い女性向けのお灸の本さえありますね。初心者の方も、最初は診療所で経験し、お灸の良さをわかっていただいて、慣れてきたらご自宅でなさるといいでしょう。

 
 

 

Qお灸はどんな時にしますか?

―お灸にはツボの深いところまで温める作用があり、冷えや虚証(虚=不足:元気や栄養などが不足していること)、慢性病の治療に適しています。

Qツボ(経穴)がわからなくても大丈夫ですか?

―最初からツボにこだわる必要はありません。自分の体を押してみて、痛いところ
気持ちいいところなど、とにかく気になるところにしてみることです。

Qどんな道具を使いますか?

―私の外来では、ツボにピンポイントでお灸をしない場合、温灸器というものを使っています。写真のように容器の中にお灸の艾(もぐさ)を入れて点火し、皮膚の上に置きます。これだとお灸が直接皮膚に触れる心配がなく、熱く感じたら自分で位置をずらしたり、距離を離したりして調節できます。ツボが分からなくても、大体でいいですから、気になるところに置けば大丈夫です。