お灸のはてな?     漢方内科・形成外科医師   陳 暢宏 のコラム              

このコラムでは、研医会診療所の陳暢宏医師がお灸について書いていきます。

お灸は古くから、庶民の身近な養生法のひとつとして親しまれてきました。脚のだるさや肩こり、冷え性といった不調にも、また健康な方が未病の対策に行うこともあります。

昨今では直接皮膚に触れないタイプのいろいろなお灸グッズがあり、手軽にできるよう工夫がされており、若い女性向けのお灸の本さえありますね。初心者の方も、最初は診療所で経験し、お灸の良さをわかっていただいて、慣れてきたらご自宅でなさるといいでしょう。

 
 

 

お灸の作用(三)消瘀散血

『霊枢』という古典には、脈中の血が凝って留まり止っているときは、火でこれを整えるのでなければならない、と書いてあります。中医学では、「気」は「血」を統率するものと考えます。火熱を用いる灸には「気」を温める効果があり、「気」が温まって通りがよくなると、「血」の通りもよくなります。