研医会眼科診療所
     目によい食べ物の話
 
           

私ども研医会の所蔵する江戸時代の医書を見てみますと、目に良い食べ物というものが紹介されていることがあります。当時は医療も流派によって考え方がちがっていたため、その推奨する食べ物はさまざまです。しかし、いくつかの書物をひも解いてみると、ある程度、共通のものがでてきます。

ためしに『眼目治療手引草』、『諸疾禁好集』、『宜禁本草集要歌』という3冊を読んで、2回以上「目に良い食べ物」とされて出てきたものをあげてみますと、
赤小豆、鯵、なまこ、かやのみ、黒胡椒、鯉、ごぼう、さざえ、山椒、タニシ、うど、なずな、なつめ、はも、ひゆ、ふき
などとなっています。

昔の人たちが何を根拠にしていたかはわかりませんが、今の栄養学で目に良いとされるビタミンA、B、C、亜鉛、タウリン、また、抗酸化作用のあるDHAやルテイン、といったものが含まれていて、彼らの持っていた知恵に驚かされます。
 

最近の医学情報にも、ドライアイ予防にはマグロを食べるとよいとか、加齢性黄斑変性には食事にビタミンEや亜鉛の多く含まれるものを食べるとよいという研究報告もあります。コンピュータやテレビの画面を見て疲れた目には、私たちも充分な栄養を摂って、目のトラブルを避けたいですね。

 

 

研医会診療所トップへ
研医会通信最新号へ
研医会HPトップへ