研医会通信  249 号 

 2026.2.18

研医会トップ 研医会図書館眼科
漢方科交通案内法人情報
 

研医会図書館は近現代の眼科医書と医学関連の古い書物を所蔵する図書館です。
この研医会通信では、当館所蔵の資料をご紹介いたします。

今回は 『三腔歌括』です。    

 

            

       図1『三腔歌括』 巻頭 「三腔」から始まる

 

 

 

『三腔歌括』

 

 

 今月は歌で身体の組織を説明している『三腔歌括』と題された写本をご紹介します。十丁ばかりの薄い冊子には、54の項目があり、それぞれに歌で説明がついています。

 

 項目は、三腔、上腔、脳髄、霊液、神経、眼、耳、鼻、口、舌、中腔、肺、気管、心、血、動脉、静脈、肺動脉、肺静脈、食堂、縦膜、横膜、下腔、胃、胃液、腸、小腸、大腸、蠕動機、乳糜、乳糜脉、腸間膜、乳糜嚢、乳糜管、脾、門脉、肝、膽、膽液、膵幷膵液、幷輸尿管、尿幷汗、膀胱、尿道、睾丸幷輸精管、精嚢幷射精管、〇(屯+骨)腧、子宮、喇叭管、卵巣、卵、腹膜、網膜、十器 の54です。

 

 身体の中でも微細な器官があげられており、膜や管に着目して編集されているようにみえます。最後の「十器」には、「十器 基を剏(はじ)めて人身を成す/表被皮腺幷水脉/脂膜靭帯膜骨筋/総て血液を繊維通するに頼る」と書かれ、ここにあげられた器官が血液循環のある、身体の基本となるものだという認識が示されています。小学校で習うような大きな臓器だけでなく、われわれ人類のこうした小さな「部品」にも目を凝らして、その働きをみていこうとした先人の姿勢が伺えます。

 

 

 

 

 

 

      図2  同本 2丁裏と3丁表

 

   図3  同本 3丁裏と4丁表

 

   図4  同本 4丁裏と5丁表