2026.2.18
図1『三腔歌括』 巻頭 「三腔」から始まる
『三腔歌括』
今月は歌で身体の組織を説明している『三腔歌括』と題された写本をご紹介します。十丁ばかりの薄い冊子には、54の項目があり、それぞれに歌で説明がついています。
項目は、三腔、上腔、脳髄、霊液、神経、眼、耳、鼻、口、舌、中腔、肺、気管、心、血、動脉、静脈、肺動脉、肺静脈、食堂、縦膜、横膜、下腔、胃、胃液、腸、小腸、大腸、蠕動機、乳糜、乳糜脉、腸間膜、乳糜嚢、乳糜管、脾、門脉、肝、膽、膽液、膵幷膵液、腎幷輸尿管、尿幷汗、膀胱、尿道、睾丸幷輸精管、精嚢幷射精管、〇(屯+骨)腧、子宮、喇叭管、卵巣、卵、腹膜、網膜、十器 の54です。
身体の中でも微細な器官があげられており、膜や管に着目して編集されているようにみえます。最後の「十器」には、「十器 基を剏(はじ)めて人身を成す/表被皮腺幷水脉/脂膜靭帯膜骨筋/総て血液を繊維通するに頼る」と書かれ、ここにあげられた器官が血液循環のある、身体の基本となるものだという認識が示されています。小学校で習うような大きな臓器だけでなく、われわれ人類のこうした小さな「部品」にも目を凝らして、その働きをみていこうとした先人の姿勢が伺えます。
図2 同本 2丁裏と3丁表
図3 同本 3丁裏と4丁表
図4 同本 4丁裏と5丁表