2026.8.19
図1 『中外醫事新報』116号 表紙 (明治18年)
『中外醫事新報』(明治14~昭和15年)
今月は、明治時代から昭和まで続いた『中外医事新報』をご紹介します。現在、当館にあるものは明治14年の第24号から昭和15年の1286号までです。(一部欠巻あり) この『中外医事新報』はその後、現在に続く『日本医史学雑誌』になります。また、当初の発行所は中外医事新報社ですが、昭和4年の雑誌からは表紙に「日本醫史學会発行」と書かれ、発行所は日本醫史學会に変わっています。
当館には大正11年までの雑誌と昭和4年からの雑誌はありますが、その間は見当たりません。CiNiiの書誌事項を確かめると、「中外醫事新報社, 1880-1940」とあり、会社は昭和15年まであったようです。昭和16年1月からは『日本醫史學雑誌』として発行されていますが、号数は1287号となっていて、昭和15年12月に出された『中外醫事新報』の号数を引き継いでいます。
さて、明治18年の冊子を見てみましょう。巻頭には肺ジストマの検体を観察するための実験装置が紹介されています。ベルリン衛生博覧会で、コッホが出品した温炉を模造したものだ、と説明にあります。それまでは厚紙で作っていたものをブリキの二重箱にして作った、とあります。
今ではAIにつないだダヴィンチのような医療ロボットが手術を行う時代となりましたが、こんな小さな工夫から、医学が進んできたのだな、と思いました。医史学に興味ある方には、エピソードの宝庫のような雑誌です。
図2 同本 表紙裏の目次と巻頭
図3 同本 温炉の図
図4 同本 巻末